
正直に言うと私は憲法を読んだことがありません。「憲法改正が必要」という声に対して一時は肯定的に捉えていました。改正は9条を一部変えるくらいに気軽に考えていました。ところが自民党の新憲法草案のことを聞くにつけ「とんでもない改悪」だと認識するに至りました。辻元清美氏が指摘されているように憲法とは「権力者の暴走を止めるためのもの」であり、「主権者たる国民が守らねばいけないもの」では決してないのです。
平和憲法は国際社会の常識から大幅にずれている。他に似たような憲法を持っている国はコスタリカただ一国だけだし、国歌が戦争をする権利を放棄することは、国歌というものの定義そのものに反するのではないか。それに平和憲法があると日本がアメリカの戦争に全面的に参加することができない。平和憲法は、日本が単独で戦争をすることも禁じてします。そんな憲法は、非現実的だし、危険ではないか。P9-P10
メディアによる北朝鮮報道はこういう憲法改悪のムードを助長するもの以外の何物でもないと思います。穿った見方かも知れませんが拉致問題が解決しないのは今の権力の側が意図的に引き延ばしているとさえ思えてしまいます。
1945年に惨たらしい戦争が終わった翌年、世界に新しい種類の憲法が生まれました。この憲法は、それが誕生した国に深い変化をもたらしました。(中略)P13
しかし、新しい憲法を嫌悪する人たちもいました。君主制主義者は、それを嫌悪しました。なぜならそれは、国民に力を与えたからです。政府の指導者もそれを毛嫌いしました。なぜならそれは(すべての善き憲法がそうであるように)彼らの権力に制限を設けたからです。P15
自民党にとってはまさに戦後60年の悲願なのでしょう。
この100年間で、まさに二億人に及ぶ人びとが、国家によって殺されたのです。国家に殺されたこの二億人のうちのほとんどは、兵士ではなく、市民でした。そして、国家に殺されたこの二億人のうちのほとんどは、外国人ではなく、自分たちの国の市民だったのです。軍事力を持つ国家に住むことは、安全なことですか?この問には、歴史がすでに答えを出しています。P26
二億人ですか?気が遠くなるような数です。戦争は人間の本性だと言う人も居るでしょうが、その動機は必ず経済がからんでいます。「イラクに民主主義をもたらすため」なんていうのはまったくのデタラメです。「オイルにからむドルの基軸通貨としての立場を守るため」という経済的な動機がその背景にあったのです。
「国の交戦権は、これを認めない。」「交戦権」とは何でしょう?交戦権とは、人を殺す権利のことです。交戦権とは、兵士が殺人罪で逮捕されることなく人の命を奪える権利のことです。国家の「交戦権」の下で戦争法に基づいて行動する兵士は、何百もの人間を殺しても、大量虐殺をした犯罪者ではなく、優れた市民であり英雄であるとされるのです。P35-36
個人には決して許されない「人を殺す」という行為が国家であれば認められるという野蛮国家が先進国なのですね。今の権力者側は日本を野蛮国家の仲間に入れたくて仕方がないのでしょう。
すべての偉大な憲法は、強引に制定されたものです。(中略)憲法は、政府の権力を制限するものです。しかし、政府というものは自分から進んで自分の力を制限しようなどとは、決してしないものです。だから、制限は、押しつけられなければならないのです。(中略)そして、日本国憲法は、まさにその目的を達成するためのものになっています。日本国憲法の1~40条のほとんどの条項は、政府の権利を制限するものです(例外は政府が課税する権利を記した30条)。政府がしてはいけないことの長いリストのあとに、政府がしてもよいことのリストが41条からようやく始まります。P39-43
アメリカから押しつけられたものだから改正する必要があるというのが改正論者の意見なのですがそれがけっきょく対米従属をより加速させることに繋がるわけです。
それでも、9条には実際的な効果がありました。日本国憲法が公布されたときからこの文章を書いている今の段階まで、日本という国家の交戦権の下に殺された人はひとりもいないのです。殺すのをやめること。これこそ、9条が求めたことでした。「今の段階まで」と書いたのは、これがまもなくーもしかしてこの本の出版も待たずにー変わってしまうかもしれないからです。現在、政府は難しい改正手続きを経ないで憲法を破壊する方法を見つけたと思っているようです。なぜなら、「有事法制関連三法」や自衛隊のイラク派兵を可能にする二つの「特措法」が通ってしまったので、憲法を凍結し、有事法制=戒厳令をしくことが可能になってしまったからです。そしてもちろん、「凍結」することが出来るような憲法は、憲法として死んでいるということは言うまでもないでしょう。P53-54
やれタマちゃんだとか白装束とかのやらせまるだしの報道を繰り返す中で有事法制は国会を通過してしまいました。私も国会まで行きましたがわずか200人くらいの人が集まっていただけでした。60年安保、70年安保のあの隊列はどこに行ってしまったのでしょうか?民主党の裏切りにも怒りを感じたあの日から既に2年も過ぎてしまっています。
現に、悲劇は既に始まっています。これを書いている現在も、日本の軍事同盟の相手であるアメリカは、自分が敵だと信ずる各国の政府に対する、どうやら長々とつづきそうな一連の戦争の二つ目をしているところです。それと同時に、イラクに対する戦争は、参加者の数とそれが行われた国の数の両方の面で、世界史上最大規模の反戦運動を惹き起こしました。参加した人たちのほとんどが、これまで運動に関わったことのない人たちです。人びとはイデオロギーや政治的信条ではなく、ただ、「戦争はいただ」という点で結集したのです。その人びとは、新しいアイディアを探しています。九条は、まさにそんな新しいアイディアなのです。この大切な尊い宝物が失われてしまうなら、日本にとって、世界にとって、こんなに悲しいことはありません。世界中の何百万人もの人びとが平和憲法のメッセージに耳を傾けるチャンスは今だというのに。P56-57

あらゆる戦争の本質は侵略です。自国が自らの力のみで豊かであれば侵略する必要はありません。アメリカの「豊かさ」とは何でしょうか?それは世界中から富を収奪し、そのことへの反発を武力で押さえることによって成り立つ「豊かさ」です。それも極一部の富裕層に富が集中しています。日本より先に中流から下流へ流されている人たちが多いようです。
横田基地を通ってその広さに呆れたことがありました。また福生あたりで軍関係者とその家族の多いこと。いかに愚かしいことに巨額のお金を使っているか考えただけで反吐が出そうになります。
戦争という政治の世界の根底には必ず経済の問題が潜んでいます。イラク戦争はご存知のように「大量破壊兵器」のためでも「フセイン独裁から解放する」ためでもなく、ドルの基軸通貨としての位置を死守するためのものでした。
「世界は100人の村」にもあるように世界の富の偏在は極端です。テロは生きていけないことに対するレジスタンスなのです。「テロには屈しない」ということは言葉を変えれば「富の独占を放棄しない」ということに他なりません。アメリカもイギリスも日本も言ってみれば盗人の国なのです。防衛とは盗人が盗んだものを奪い返されないように守っているもので「先守防衛」というのはいつ取り返しにやって来るか不安なのでこちらから出向いて皆殺しにしてしまうということではないでしょうか?所詮、法の用語なんて難しそうでも根本はそんなものでしょう。
『「平和を祈る」という「行動」を「国」として行う。』これはもうはっきりしています。もうこれ以上環境に悪影響を与える今の石油経済、物的ムダを再生産する今の経済を根本的に変えることだと思います。それを変えるためには今の資本主義の破綻は避けられないでしょう。「お金のいらない国」なんてことはほとんどの人にとって荒唐無稽の夢物語でしかないでしょうがもう今の生産力と生産手段を生かせば世界中の人たちが「飢えも強欲もなく」幸せに生きていくことが可能なのです。問題は人々の意識です。あまりにも多くの人々が資本主義のマインドコントロールにあっています。やれプラズマテレビ、やれDVD録画だとか・・そんなものがあっても肝心の映画に見るべきものが多いですか?私は今、Yahoo!のBBTVで5000タイトルものビデオがタダで見放題ですがまだ「華氏911」しか見ていません。片山某とか佐藤某を見ていて「気持ち悪い」と感じるのは資本主義的価値観にどっぷりと汚染されているからだと思います。何も六本木ヒルズの上で飲み食いしなくても楽しい相手となら高槻の清美ちゃんご用達の立ち飲み屋でも充分楽しいのです。

※KUMA0504さん ヘリオトロープの小部屋さんへ コメントしようとしたのですが「楽天広場」の会員になったものの会員ではないということでエラーになってしまいました。今、問い合わせ中ですがとりあえずここに書きます。↑の例のようにリンクはいくらでもできます。タグを一応書いておきます。
<center><a href="http://our.sakura.ne.jp/9/"><img src="http://blog-imgs-27.fc2.com/h/e/n/henrryd6/articleblue.gif"></a></center>
これをそのままコピーしても表示はされますが画像は自分で自分のサーバーにアップするというのがウェブにおけるマナーです。< は & l t ; という文字列を入れてます。そうしないとタグが実際に働いてしまうからです。
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大阪府守口市出身 東京生活10年を経て
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