世間では「イージス艦の衝突」や「ロス疑惑事件」が主要メディアを賑わしていて、ブロガーの多くもこれらの事件のことを取り上げている。まだまだそれらの真相は藪の中なので、この間、疑問に感じていた「医療崩壊」について考えてみたい。
医師不足や救急医療の危機が叫ばれています。医療業界はマクロに見るならば、技術の進歩とは逆に、その産業としての規模を増やしているように思う。普通の商品であれば需要以上に供給がなされるので常に「物余り」であり、この間の経済は一貫してデフレ基調であった。100円ショップで扱っている商品や家電製品などは特にその傾向が顕著だ。間違った健康法がテレビで宣伝され、どんどん病気になる人が増えているにも関わらず、医師不足という現実がある。にも関わらず、そのことの原因を本質的に説明しているテレビ番組や新聞記事などは皆無である。そこでとりあえずWikipediaで調べ、そこに書かれていたことを箇条書きにしてみた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%B4%A9%E5%A3%8Aより
1.医師、看護士に対する捜査・司法機関による刑事立件・訴訟が起こった。 2.病院や担当医師に結果責任を要求する医療訴訟が多発した。 3.初期臨床研修義務化によって地方の大学の医局に所属する必要がなくなった。 4.マスメディアによる恣意的報道により医師や病院が悪者扱いをされるようになった。 5.医療のコンビニ化が進み、医師の過剰労働が増加した。 6.市民団体によるマスメディアと一体となったネガティブキャンペーンが行われ、医師のモチベーションが低下した。
本来、医療業界は既存勢力として護られてしかるべきであるにも関わらず、明白な意思によって急速に崩壊が進んだ模様である。事は人間の生命に関わることであるにも関わらず、そのことの原因を既存のメディアが追究していないことにずっと不自然さを感じていた。そこで少し前に話題となったマイケル・ムーアの「シッコ:Sicko」について調べてみた。
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=6362より ●なんと、アメリカの健康保険充実度は世界37位、泣く子もだまる超大国が、先進国中最下位だ!!
先進国で唯一国民健康保険制度のないアメリカ。6人に一人が無保険で、毎年1.8万人が治療を受けられずに死んでいく。しかし、『シッコ』はちゃんと保険に入っている人々についての映画だ。 え? なら、何の問題があるの? 大ありだ! アメリカの医療保険の大半はHMO(健康維持機構)という、民間の保険会社が医師に給料を支払って管理するシステム。保険会社は、治療は不必要と診断した医者には、“(無駄な)支出を減らした”という旨の奨励金を与え、加入者には何かと理由をつけて保険金を払わない。さらに多額の献金で政治家を操り、都合のいい法律を作らせる。そんな政治家たちは公的医療保険を求める動きに対して「国による健保の管理は社会主義への第一歩だ!」と完全につぶれるまで恫喝する。結局、国民は高い保険料を払っても、一度大病を患えば治療費が支払われずに病死か破産だ。
やはり医療崩壊の陰に保険業界が存在しているのは間違いないようである。こういう国民に大きく関係するにも関わらず、既存のメディアが真相を追究しない陰にユダ金が存在することはギョーザ事件などと同じ構造だ。そこでかさねて図書館にあった相野谷安孝著「医療保障が壊れる」旬報社をざっと読んでみた。ここで解ったことは官僚たちは自分たちの利権を守ることについては極めてドンブリ勘定である。(※一般財源に組み入れることに反対の道路特定財源から100万円もするカラオケ機器が購入されていた等。)反面、公務員として憲法99条(憲法遵守規定)を守らなければならない立場であるにも関わらず、あたかも重箱の隅をつつくかのごとく、社会福祉予算の削減に邁進してきたことこそが「医療崩壊」の背景にあったのだ。経済財政諮問会議における「骨太の方針」という言葉に違和感を感じていたのだが、これは普通の人が感じる「本気でやってくれそう」という期待とはまったく逆の、「憲法を無視」した「下々(しもじも)の切捨て方針」そのものであるのだ。時系列で整理してみる。
・1998年 健康保険本人負担のアップ〜一割から二割へ ・2001年 高齢者医療の改悪〜定額制から定率制へ ・2002年 高齢者医療における月額の上限廃止〜一部定額制の廃止。夫婦で年収620万円以上の高齢者は2割負担へ。 ・2003年 健康保険本人負担〜2割から3割にアップ ・2004年 年金改悪〜負担増と受給額の減少。 ・2005年 介護保険の改悪、障害者自立支援法の強行。 ・2006年 医療改悪法の強行。 ・2007年 後期高齢者医療制度の強行。5000万件の年金記録の消失が発覚。生活保護の母子加算、老齢加算の段階的見直し。
この間、財界からの政府に対する突き上げは非常に強く、結果としてかつて20兆円あった法人税を半分の10兆円に減らすことができた。にも関わらず、2001年度における社会保障の事業主負担は28兆円にものぼり、これを削ることを強く要望してきたのである。財界の要求とは既に外資比率が4割を越えている今の日本の大企業の現状を見るならばそれはアメリカ=ユダ金の要望とも言えるし、急増している蟻子(ありこ)に代表される外資系「入院保険」のCMもそれらの背景があってのことであろう。事実、「年次改革要望書95=日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書」の中には医療機器・医薬品について細かい要求がなされている。ここでその詳細な検討は省くがはっきりしていることは、「誰もが受けることのできる医療」から「自立・自助を前提とした自己責任による医療」へその性格を変質されていることである。
こういう事態の中で現場のお医者さんの中にもブログで真相を追求されている方がおられます。一部、ご紹介したいと思います。
元気に明るく生きて行ける社会のために、医者のホンネを綴りたい Doctors Blog 医師が発信するブログサイトhttp://blog.m3.com/DrTakechan/20080227/より
ところが我が国の厚労省は、医療の高度化に伴い、専門分化が進み、高額な医療機器や新薬による治療の高度化、新しい検査法の開発などで社会保障費がどんどん膨らむことに対応できなかった。国家財政が逼迫する不安から政治家・財務省の圧力が厚労省にかかると、社会保障の重要性を説明せず、維持する使命を忘れ、もろくも圧力に屈して医療費削減、医師数減少の方策に乗ってしまったのだ。
医療の高度化、救急医療の急速な整備を進める反面で、医療費抑制、医師数削減をコツコツとやってくれた結果が、今の医療破壊につながっていることを、厚労省はどこまで自覚しているのか?そして、医療費抑制のために。療養病棟なる医療を十分に受けられない包括医療を巧みに取り入れ、基盤整備もないままに在宅医療への切り替えを進めるために介護保険制度を無理矢理導入した。
そこで、制度の複雑化と医療高度化による医師の過重労働が次第に激しさを増し、研修医の過労死事件が相次ぐと、研修医を守る名目で、ついでに目障りで言うことを聞かない大学医局も弱体化してやれとばかりに、大学医局の存在意義も検証せぬままに新研修医制度を導入してしまった。おかげで過重労働に苦しむ医療界はイッキに1万2千人?の労働力を奪われ、医療破壊は一気に加速した。
このとき、マスゴミとモンスターペイシェントがさらに事態を悪化させたことは言うまでもないことだが.....、これは火事場にガソリンくらいの効果はあったのだよ...。
さて、今や、マスゴミは一方では医療崩壊を引き起こした政府・財務省・厚労省の作為的な情報を垂れ流し(一部は最近、政府に批判的な報道もするようになったが)、返す刀で医者叩きを繰り返す....そして、診療報酬0.38%アップと謳ってあたかも医師会の圧力に負けたかのような世論を喚起しているが、おそらく4月の改定で、相当数の病院、診療所はアップどころかアップアップの状態に陥るだろう。医療崩壊は確実に進行し続ける。それが真実である。
※追伸 大阪の鍵コメントさま 誠実なメッセージにお返事をしたいのですが、メールアドレスが解りません。ぜひお教えください。よろしくお願いします。
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