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太平洋戦争中のやらせ報道

硫黄島 玉砕戦 ~生還者 61年目の証言~


060807_b.jpg
最近のNHKスペシャルは非常に見応えがある。 この歳になり、やっと学校で習った歴史とは違う歴史観を理解できるようになったためか、いろんなことに敏感になっているのかもしれない。

http://www.nhk.or.jp/special/onair/060807.htmlより
太平洋戦争の最激戦地となった硫黄島で何が起きていたのか。戦後61年目にして改めて歴史の光が当たろうとしている。

昭和20年2月から1か月の死闘の末、2万人の日本軍守備隊は援軍や補給を断たれて「玉砕」、その戦いは本土決戦に向けて国民を鼓舞する象徴とされた。しかし兵士たちはどのように玉砕戦を戦い、命を落としていったのか、これまでその詳細が語られることはほとんどなかった。負傷した結果、米軍の捕虜となり、奇跡の生還を遂げた元兵士もいたが、犠牲者への配慮から口をつぐんできたためだ。

今回、捕虜尋問記録をはじめ米軍資料やわずかに残る生還者の証言から浮かび上がった真実。それはいわゆるバンザイ突撃のような玉砕ではなく、兵士一人ひとりが楯となり、米軍の占領を遅らせ皇国に寄与する、という凄まじい持久戦だった。命令系統は崩壊し、水も食料もない中、兵士たちは降伏を拒み孤立した戦いを続けながら壮絶な死を遂げていったのである。

一方、死傷者2万8千人を出す史上最悪の戦闘となったアメリカでは衝撃を受け、空襲を中心とする「味方に犠牲を出さない戦争」へと傾斜を深めていくことになる。

日米双方の兵士の証言、人が住めない島になった硫黄島の現況、新発掘の資料を徹底取材し、近代戦争の転換点と言われる硫黄島の戦闘の真実を明らかにする。



060807_c.jpg米軍は昭和19年8月の時点でサイパン、グアム、テニアン島などを制圧、B29爆撃機による日本本土への長距離爆撃を開始していた。もうすでに日本の敗色はかなり明らかになりつつあった。実際、戦闘についた兵員は30代、40代の中年兵や17歳の初年兵が多く、銃砲の扱いすらまともにできなかった兵も居たという。栗林忠道陸軍中将は持久戦にそなえ、島内各所に全長18Kmにも及ぶ地下壕を作りこの戦いに備えたとのことである。

米軍の兵力は、艦船800隻の、航空機4,000機、総数25万人。昭和20年2月16日、硫黄島に対して熾烈な艦砲射撃と空爆が開始された。19日にはB-29による空爆と硫黄島沖に集結した艦隊による砲撃が全島を襲い、硫黄島の南海岸には約130隻の上陸用船艇第一波が上陸した。

米軍の予想では5日間で陥落すると狙っていたのであるが日本軍のゲリラ的な抵抗により1ケ月ほど持ちこたえたのである。

3月16日、米軍は日本軍に降伏勧告状を送った。
「日本軍が硫黄島で示した恐れを知らぬ不撓不屈の精神は、全戦闘員の賞賛に値する。貴下は類まれな戦法で部隊を指揮してきた。われわれは、絶体絶命の状態に追い込まれた勇猛な部隊を完膚なきまでに壊滅するつもりはない。それ故に私は貴下に対し直ちに部下の抵抗を中止させ、我軍の防禦戦を通って安全地帯へ行進してくるよう勧告する。貴下並びに貴下の将兵は、戦争規程に従って人道的に処遇されるであろう。」

翌日の総攻撃の時点で一万人前後の将兵が生存していたと思われるが、敗戦後も大部分の将兵はゲリラとなって戦い、進んで降伏したものは僅かであった。最終的な捕虜人数、1,033名。

ここで私がもっとも驚いたことは現地でこのような地獄の死闘が行われている時になんと前年にやらせ撮影された「日本ニュース」による「善戦映像」が内地で発表されていたという事実である。その映像に映った兵隊さんの表情は喜びさえ感じさせるおよそ戦争というリアリティのないものでしかなかったのだが内地ではそのような映像ですら充分プロパガンダ足り得たという歴史的な事実である。

3月22日には組織的な戦闘は終結するのだが、実際にはそこからがまさに地獄の始まりで6月末まで抵抗は続くのである。生還された5人の元兵士が語っておられたのは「畜生」でしかなかったおぞましい実態であった。ウジや泥さえも口に入れたという。炭を食べて空腹を紛らわせたという方もおられた。投降を絶対に許さないという当時の軍での教育が悲惨な結果を生んだ。生還された方も投降したというより生死を彷徨っていたところを助けられたというのがその実情であった模様である。本来この時点で降伏できれば沖縄や本土での悲劇を食い止めることもできたのであろうが、プロパガンダに騙され、竹槍でも神風が吹くことを祈り、B29の大編隊に立ち向かって行った様子は今こそその真実が明かされなければならない。広島の式典に嫌々出席し、小学生以下の式辞しか述べられなかったというリーダーは昔も居て最後の最後まで日本を売り尽くしていたということなのだ。

硫黄島玉砕で検索していて見つけた「絵日記による学童疎開600日の記録」というホームページである。http://www.h5.dion.ne.jp/~s600days/index.html

硫黄島





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コメント

米軍の硫黄島力攻め攻略の理由?

>米軍は昭和19年8月の時点でサイパン、グアム、テニアン島などを制圧、B29爆撃機による日本本土への長距離爆撃を開始していた。
>もうすでに日本の敗色はかなり明らかになりつつあった。
日本軍は既に硫黄島周辺の制空権、制海権ともに失っていたのに、どうして米軍は硫黄島を力攻め、我攻めしたのでしょう?私には軍事的な意味が理解できません。ご存知の方がいらしたら教えて下さい。

☆ゴンザさん コメントありがとうございます。私は陰謀論と呼ばれるものに真実を感じています。そういう立場に立った時に複雑な歴史や政治の世界が見えてくると思っています。アメリカを動かす力というものは凡人に理解できる範囲を遥かに凌駕しています。というか誰もそんなことを習っていないので俄に信じられるものではありません。ただ私が信頼している3人の方は同じような立場に立たれています。とりあえず下のページをお奨めします。
http://www15.ocn.ne.jp/~oyakodon/newversion/futuunokaiwa2.htm#sk

本土空襲開始の時点で降伏していれば

おっと、前の質問より大事なこと!

>米軍は昭和19年8月の時点でサイパン、グアム、テニアン島などを制圧、B29爆撃機による日本本土への長距離爆撃を開始していた。
>もうすでに日本の敗色はかなり明らかになりつつあった。

本土空襲開始の時点で降伏していれば、多くの命が失われずにすんだはずだという思いが常にあります。

最初に戦争に向かわせた者が

実は最後まで徹底抗戦させるようにもっていったのです。副島隆彦氏の「昭和史からの警告」に書いてあります。それと驚くことなかれその者たちは戦犯をも免れて生をまっとうしたのです。

戦争プロパガンダ 10の法則

報道写真家から:2006年5月9日 [ ■メディア・リテラシー ]
戦争プロパガンダから学ぶ
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo/d/20060509


アンヌ・モレリ著『戦争プロパガンダ 10の法則』 草思社
http://www.soshisha.com/book_search/detail/1_4794211295.html
アンヌ・モレリは、その著書で戦時におけるメディアがいかに狡猾に人々を戦争に導くかを述べている。戦争プロパガンダは10項目に集約できるという。この10項目は、1928年にアーサー・ポンソンビーによって書かれた『戦争の嘘』をもとにしているが、その分析が現代にもぴたりとあてはまっている。

「われわれは戦争をしたくはない」
「しかし敵側が一方的に戦争を望んだ」
「敵の指導者は悪魔のような人間だ」
「われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う」
「われわれも誤って犠牲をだすことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる」
「敵は卑劣な兵器や戦略を用いている」
「われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大」
「芸術家や知識人も正義の戦いを支持している」
「われわれの大儀は神聖なものである」
「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」

ジェラス・ゲイ | 江原 元のページ
http://homepage.mac.com/ehara_gen1/jealous_gay/index.html
理不尽にもアメリカとイスラエルによって虫けらのごとく殺された罪なき人びとにこのサイトを捧げる.

米「 戦争プロパガンダ 本格化」歴史家アンヌ・モレリ氏に聞く
2002年10月4日(朝日新聞)
http://homepage.mac.com/ehara_gen/jealous_gay/anne_morelli.html
米ブッシュ政権が、イラクとの対決姿勢を強めている。国連を舞台にした外交戦は、国際世論の支持を得るための宣伝戦の様相を呈してきた。対イラク攻撃はどう正当化されるのだろうか。「戦争プロパガンダ10の法則」(邦訳・草思社刊)の著者でベルギーの歴史家、アンヌ・モレリ氏に聞いた。(ブリュッセル=脇阪紀行)

ドキュメント 戦争広告代理店 (講談社)
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2750961

☆ゴンベイさん コメントありがとうございます。明日、じっくり読ませていただきますね。とりあえず・・・


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