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「セブン・イレブンの正体」を読んで

1.フランチャイズという植民地システム


年の12月20日に行ったレイバーフェスタで知人の古川琢也さんより、その著書「セブン・イレブンの正体」の献本を受けた。ルポライターFの取材(じゃないことも書く)日記には


トーハン委託配本拒否騒動の顛末が「金曜日」編集後記に
昨日発売の「週刊金曜日」(1月16日号)の「金曜日から」コーナー(編集後記)で、町田秋穂さんが、トーハンによる『セブン-イレブンの正体』委託配本拒否騒動の顛末について書いてくれています。興味のある方は「金曜日」オバマ特集号をお手に取って、その一番最後のページを開いてみてください。

ところでトーハンとは全然関係ないし、私が執筆陣に参加しているわけでもありませんが、個人的に「金曜日」の今回の特集には喝采を送りたい気分。どう考えてもオバマは、世間から幻想を持って見られすぎ、かつ語られすぎなので。


は11年間、F社にて経営コンサルタントとして仕事をした人間である。F社はもともと小売業に強いコンサルティング会社であり、私は住宅関連の部署に居てホームセンターやデディスカウンターなどの仕事に多く従事した。当然、日本全国の有名なお店は話題になるたびに見たし、細かい調査も行っている。それは日本のお店だけではなく、アメリカのウォールマートやターゲットと云った(アメリカ型)ディスカウント・ストアーにも及び、品揃えの仕方で如何にKマートと違うのかを案内した経営者の方々に語ったものである。アメリカの流通業の歴史とは簡単に言うと革新の歴史であり、ウォールマートの創始者であるサム・ウォルトンの著書も興味深く読んでいた。F社は今でこそ東京の丸の内に事務所を構える東証一部の会社ではあるが、もともと大阪出身の会社である。東京的なセンスとは違い、ずばり本質を突くことをその本領としていた。そのためにはものの表面だけにとらわれず、根元的な本質を捉える訓練を常に課せられた。私のブログでよく評価いただいている「わかりやすさ」はF社で鍛えられたものである。

えば千葉や茨城で店舗展開している「ジョイフル本田」という巨大ホームセンターがある。ここの品揃えはとにかく凄い。かつて上司の命令でこの店の電管球の売り場の棚割りを全て調査したことがある。普通のホームセンターであれば電管球の売り場というのは4尺(120cm幅)の什器でせいぜい4本程度である。ところがどっこいこの店の売り場はその倍ほどあった。マイクロカセットレコーダーを隠し持って、隠しマイクとリモコンを使って商品名を一品づつ猛烈なスピードで読み込んでいくのだ。その時、びっくりした商品があった。それはなんと「ひよこ用電球」なるものであった。こんな調子で店舗を調べているものだから、店舗を見るだけで経営者の性格まで想像できるようになって来たのでした。おいしいお店を見つけるのが得意であるのもこの時の経験がとても役にたっているのです。

かしながらこの本を読んで感じたことは流通業もご多分にもれず「新自由主義」の悪しき洗礼を受けているということでした。もともとフランチャイズ・システムなるものは本部が加盟店より2重、3重に収奪する要素がありました。私も看板こそ自分が決めた店ながらフランチャイズシステムにより商品供給を受けていましたので、その理不尽さは心得ているつもりでした。それでもこの本を読んで感じたことは加盟店やメーカーの犠牲の上に本部の高収益体質がもたらされていることを知り、その893まがいの不当性に怒りすら感じました。

2.常識外の会計システム



100円(原価60円)のパンを100個仕入れ、80個が売れたとする。

●普通の会計 売上8000円-仕入れ原価が6000円=粗利は2000円
セブンイレブンチャージが50%とすると、1000円が本社の取り分、1000円が加盟店の儲けとなる。

●セブンイレブン式会計(100円-60円)×80個=3200円が粗利
チャージがかかって、本社取り分は1600円、加盟店1600円
ところが廃棄分の損失60円×20個=1200円は加盟店が負担するから、結局加盟店の儲けは1600円-1200円=400円になるという。

盟店側が廃棄を恐れて過小な仕入れをした場合、機会損失が多くなり、本部としても商品売り上げ、チャージともに減ってしまう。かと云って値引きを認めてしまうとチャージそのものも減ってしまう。本部では一切、値引き販売を認めていないのだ。そのために毎日、全国で36万食、推定でも1億8000万円もの食品が廃棄されているという。もはや「もったいない」と通り越した「非人道的行為」と云える。しかもその廃棄に関わる費用は全て加盟店の負担という。加盟店は400円の中から人件費や家賃を払わないといけないのだ。これではどう考えてもよほど立地に恵まれた場所でしか利益などでるものではない。本来はリスクを負って投資したビジネスオーナーであるにも関わらず、実際には正社員以下の生活しかできない本部の奴隷として利用しているにすぎないのだ。以下、この本の中で紹介されている本部の酷さを箇条書きで紹介したい。

・商品の仕入れに伴う請求伝票が送られて来ない→本部による不当ピンハネが横行している。
・量販店の販売価格より高い仕入れ価格で仕入れている商品がある。
・「自腹買い」の横行。
・24時間の監視体制で加盟店の反攻を阻止する。
・有名無実のオーナーヘルプ制度で家族のお通夜の日さえ店から離れることができない。
・本部により気ままに利用される食品ベンダー。

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コメント

古川君は本当にいい仕事をしました。友人として誇りに思います。これ以上被害者を増やしたくないですね。ホームレスの方はセブンイレブンのおかげで飯が食えそうですね。(ブラックジョークです。)ヘンリーさんもF社で相当鍛えられたんですね。

☆タクちゃん
今日か明日くらいに古川君との共同作業?を発表できると思います。ぜひご注目ください。

さすが元コンサル

オーツさん、あっさりとしたマトメですが、元コンサルの本領発揮で
非常に説得力がありますね。新自由主義は見えないところ、人々の意識にまで
浸透しつつあるようです。

話は少し変わりますが、私の祖父母達は、日本の保守層の代表的民草とでも
例えたいようなタイプでした。その子供達(つまり私の親の世代)は、左派運動
をしていましたが、祖父母達の世代はそれに対して否定的だったように思います。
また、祖父母達は、かつて「働かざるもの食うべからず」などと度々口走っていました。
その言葉は、戦前の共産主義者達のプロパガンダであったにも関わらず…。
きっとそんなこと(かつての保守層は好まなかった思想)は判らなくなっていたのでしょう。

祖父母達の敬愛するご先祖様達の中には、神主や大名など、いわゆる不労所得
によって糧を得ている方々もいましたが…、「不労所得の何が悪いねん」という
意識は、祖父母達の頭の中から消えていました。「働かざるもの食うべからず」
という文言の中で「働く=作業をする」というニュアンスがあるように感じられ
ますが、社会も家庭も、作業者だけではうまく回らない場合も多い。
“自分の民の為に判断や決断をする仕事”というものは、想像以上に緊張感のある
大変な仕事です。下手なリーダーの元では長期間の安寧は築けません。
祖父母達の頭の中からは、そういった事すら消えてしまっていたのかも判りません。

たとえば、ここしばらくの常識的価値感にもあったように、少しでも多くの金を稼ごう
と必死になると、社会や時代が、どう変遷しているのか…、また揺らいでいるのか
判らなくなってしまう事が多いような気がします。(以上、たとえ話でした)

油堕屋は、千年前の父祖が体験した事でも、まるで自分の父や自分自身に起こった事
のようにとらえているといいます。そういう長期の視座から出てくる戦略戦術に
対抗しようと思ったら、我々の視座も100年程度では少ない(足りない)はず。
少なくとも数百年程度の歴史を鑑みないと、時流の流行に流されがちではないかと
思うに至りました。

新自由主義は、近視的に見るともっともな理屈に思えた事もありましたが、
それがどう影響するか等を良く考え、視座を数十年くらいにしてみるだけでも
それがいかにヤバイもので、ろくでもないものかがはっきりと判ってきます。
普通にしていても視点を少し変えるだけで色々な事が見えてくるから不思議です。

「普通にしていても視点を少し変えるだけで色々な事が見えてくる」などと書きました
が、そういうことは、自他の経験を相当練る事が出来なければ無理だと思います。
そういった意味で、オーツさんのコンサル経験というものは貴重だと思うのです。
やはり、10年というのは歴史的に見ても1つの区切りになると思います。
ぶれない軸になり得ます。11年間コンサル企業に居られたという事の意味は大きいです。

そんなこともあり、今回オーツさんはあっさり書評を書かれたのだと思いますが
無駄なく的確にポイントが捉えられているのだと思います。私もその本を購入致しましたが
現在、同時に購入した安部氏の新刊、他を読んでいて、まだ読めていません。
オーツさんの書評を読ませていただき、判り易かったので、必読図書の読み順の
優先順位が少し変動したかもしれません。(笑) しかし、まぁ、近日中に読んでみたいと思います。

フランチャイズ産業に限らず、生活感の中に忍び込んでくる新自由主義的な思想に関して、
もっと意識的に注意してゆかないといけないと感じています。


自信の霊脈に忠実に!

☆神社神主の子孫さん
たしか先日、浅草にて「自信の霊脈に忠実に!」ということを言われていたと思います。攘夷に生きた魂が蘇りました。
>そういう長期の視座から出てくる戦略戦術に 対抗しようと思ったら、我々の視座も100年程度では少ない(足りない)はず。
少なくとも数百年程度の歴史を鑑みないと、時流の流行に流されがちではないかと思うに至りました。

読者の方がとても興味深い動画をご紹介していただけました。歴史の流れの中で真に節となる箇所というのはそれほど多くないように思います。キリスト教の起源がエジプトにあるという興味深い指摘もありました。リンカーンやケネディが暗殺された原因が政府紙幣にあったという話もあります。FRBをめぐる話もおもしろいです。




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大阪府守口市出身 東京生活10年を経て
山梨県北杜市小淵沢町在住
サバイバル生活を実践しています。彼女と古民家にて菜園と「流しそうめん&明石焼き」のお店を開きたいです。
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